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住み継ぐカタチ。

8/7 「住み継がれる集落をつくる-交流・移住・通いで生き抜く地域-」

朝、佐治スタジオに行くと、
僕宛に一冊の本が届いていた。
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集落の大先輩、山崎義人さんが中心となって執筆した
これからの「集落の住み継くカタチ」を考えるという興味深いテーマ。

「集落のことやりたいんなら、伊根と美山に行ってこい」
「そこで、美しいと感じれへんかったら、集落はやめたほうがいい」

10年以上前に神戸大学に研究員としておられた山崎さんに言われた言葉が忘れられない。
あの頃は、大学4年になりたてで、神戸大の大学院に行って、重村先生のもとで集落調査をやりたいと思っていた。
僕の高校時代のツレの紹介で、飛び込みで神戸大学へ乗り込んだ…今思えばアポなしで良く受け入れてくれたもんだ。

「僕は『建築家なしの建築』『集落の教え』という本にめちゃくちゃ刺激受けてます!」
「うーん、キレイなとこばっか見てたらあかん。集落はな…もっとドロドロしてるねん、そのドロドロしてる部分が魅力やねん」
「(なにー!?)そうなんすか?」

テキトーな感じで、いろんなアドバイスをくれたナイスな兄貴。
僕の人生のターニングポイントの一つだと今になって思う。
あの1時間ほどの時間が、僕を集落の世界へ、ドロドロとした魅惑の世界への入り口だった。

余談だけど、その時お話しながらも、山崎さんは手元で集落図を描いていたのだが、その絵がまたカッコよかった!
「僕もこんな絵を描けるようになりたい!」って話聞きながらワクワクして見てたのだが…
後で聞いたら、氷上町の葛野地域の集落環境提案図だったそうだ。

縁というのは不思議なものだと思った。

その後、いろいろあって僕は丹波というドロドロとした美しい場所で活動を始めた。
不思議なもんで、色々巡り巡って、山崎さんとは何度も丹波で一緒に仕事させて頂く機会を頂いた。

今回紹介した本も、ある日山崎さんから
「デマチ君さ…『ムラを住み継ぐ』ってテーマで研究会やってんだけど、
そのメンバーで佐治に行くから、今丹波でやってること話してよー」
って感じの依頼があって…本には出てないけど、ベースの部分にご協力させて頂いた。

いつの時だったか忘れたけど、山崎さんに聞いてみたことがある。
「昔、神戸大学に潜入して、山崎さんに集落指南を受けたことがあるんですけど…」
「あー、あの時の…覚えてるよーほんとうに集落やってたんだねー」
って、嬉しかったね。子供みたいに。

僕が今、丹波にいて、色んなドロドロと向き合い、
ドロドロしたものをデザインしているのは、
色んな方々との出会いの中で、たくさんの刺激と指南を頂いたことが全てだ。

当たり前のことだけど。

この本を手に取って、
暗闇の中を当てもなくジタバタしていたあの頃の自分と、
渋く輝いていた山崎さんの姿とあの神戸大学での光景を思い出した

デマチ



by saji_saji | 2017-08-07 08:31 | 出町日誌
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