奈良人は、海を見ると「海や―」と叫ぶ。

青垣の消防団あがりの人は、消防者の鐘の音に興奮を覚えてしまう…
向いの家の犬(ハッピー)は、猫とお化けを見ると激しく啼き散らす…
奈良の人は、海を見ると「あ、海や―!」と無意識に叫ぶ…
僕は雪を見ると、皮膚の寒さとは裏腹に、何だか胸の奥が熱くなる…

そう、青垣に雪が降りました。
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そして、こんな時に限って、朝一で大学へ行かなきゃいけない…。

というわけで、

昨晩、睡眠時間を削り、ある程度のイメージトレーニングを済ましておいた。
そのかいもあり、出発までの一連の動きをそつなくこなし、いざ車へ。
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しかし、そこからが長かった。

雪をかき分けるように車へ近付く、そして鍵を開ける、
そしてドアノブを引く…そしてドアノブを強く引く…
もう一度の前に、掌が雪で機能不全に…ドアが封印されている!?
凍てつき、封印されたドアを前に、僕は変な興奮を覚えた。

お湯という切り札を手に、再び凍てつく車へ…
ドアを中心に封印を解いていく…ガチャ。

しかし、まだ車の封印は完全に解かれていない。
ボンネットからルーフにかけて、ゲゲゲの「いったんもめん」37体分程を
重ねた物がまとわりついている…そう、視界を封印されていたのだ。

興奮のあまり、素手で「いったんもめん」を振り払いにかかる…が、
武器を持たない僕の素手はあっさりと返り討ちにあい、再び機能不全に…。
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車中に逃げ込み、両手が回復するのを待っていた僕の目に、
置き去りのペットボトルの姿が飛び込んできた…興奮を抑えながら、恐る恐る口に含む。
「あ、冷たっ…あ、頭イテテテ…うそやろ…」
なんと!液体のままでいる事が奇跡なほど、中身は冷たく冷え切っていたのだ。
「やられた、罠だ、ちくしょう…」しかし、心の内はどこか晴々しい。

そして残り少ないお湯の使い道を、
トランクの扉の封印を解く事に使うことにした。
…ガチャ。
トランクの中から、一本の傘が現れた。
僕はガッツポーズしたくなる衝動を抑えるために多くの体力を消費した。

魔法の杖を手にした僕は、再び「いったんもめん」と対峙する、
そして次々となぎ倒していく…が、残り2枚ほどのところで杖の動きが止まる。
封印を解かれるのを恐れたやつらは、自らの身体を凍てつかせていたのだ!?

しかし、その時だった。
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やつらの最後のあがきを読んでいたかの如く、
車のエンジンが温まり始め、室内からの熱気が、内側から最後の封印を解き始めた。
こうなったらもう僕たちを縛る奴はいない…大丈夫だ。

「さあ行こう…大学へ、行こう。」

(完)

ホント長々とくだらない事をスイマセン。
結局、乗るはずだった電車には乗り遅れ、
買った缶コーヒーは飲む前にアイスコーヒーになり、
大学の打ち合わせにも遅刻し、散々でした。
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昔、佐治に来て初めての住民の方々とのワークショップをやった時に、
「青垣の冬の厳しさを知ずに、偉そうなこと言うな!」と言われたのを思い出します。

皆さん、毎年ながら僕は冬を楽しんでいます。
雪が作り出す物は、確かに大変な事、困難な事が多いかもしれません。

それでも、雪が作り出す風景を僕は美しく思います。
雪と付き合いながら暮らしていく風景を美しく思います。
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皆さん、何だかんだで僕は楽しんでいます。
そして、雪が作り出す美しい風景に胸の奥を熱くしています。

(出町)
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by saji_saji | 2011-01-08 01:15 | 出町日誌 | Comments(0)
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